人生を変えた‟きっかけの町”

16歳の時のこと

実は当時、学校があまり好きではなく、修学旅行に行くことに気が進みませんでした。先生には、「修学旅行に行かないと、帰ってきてから仲間外れにされることもあるかもしれないよ」と言われたものの、それでもやはり行きたくないという気持ちが強かったのです。そんな中、ふと「タイにいる父に会いに行きたい、そして一度タイを見てみたい」という思いが湧き上がりました。

こうして修学旅行をサボり、私は1人でタイに向かうことにしました。

英語との出会い、そして海外へ

それまでは家族旅行でアメリカやグアムには行ったことがあったけれど、東南アジアは初めての場所。少し不安もありましたが、それ以上に新しい世界への好奇心が勝っていました。

バンコクに到着した私を待っていたのは、蒸し暑い空気と独特な香り、タクシーやトゥクトゥクが行き交う賑やかな街の景色。食べたことのない味、見たことのない光景、何もかもが新鮮で、全てが私にとって新しい発見でした。

そんな中、父の秘書をしていた現地の女性との出会いも、私の中で強く心に残りました。彼女は英語が流暢で、理不尽なことがあれば堂々と交渉している姿がとてもカッコよかった。英語が話せると、こうして世界を自由に渡り歩けるんだ、と直感しました。

世界はこんなにも広いのだと実感しました。私が今まで見ていたものはほんの一部で、まだまだ知らないことがたくさんある。もっともっと見てみたい、体験したいという気持ちが膨らんでいきました。そこで大学は海外に行くことを決めました。

自分が選択することが大切

先生にはああ言われましたが、別に仲間外れにされることもありませんでした。どんな小さな決断も、自分で選んでいくことが大事だと思います。自分の気持ちを大切にして選んだ結果が、私にとって大きな意味を持つ経験に繋がりました。
修学旅行をサボって行ったタイで、こんなにも人生が変わるなんて、きっかけはどこに転がっているかわからないものです。

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